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【美智子さま100の言葉】優しさと強さと、そしてユーモアと

pixabay スイセン

前回ご紹介した「天皇陛下100の言葉」の姉妹編(ご夫婦だけど*_*)に当たります。

美智子さまはお立場からか、天皇陛下と比べて、自身の口から直接言葉を語られる機会はすこし少ないように思われます。けど、本書を読むと様々な機会で、感情豊かに多くを語ってこられたことがわかります。

美智子さまの人柄が分かるお言葉を中心に選んでみました。

書籍データ
【美智子さま100の言葉 日本人を優しくつつみこむ御心山下晋司監修 別冊宝島編集部編 2016年9月30日初版

本書も全5章から構成されています。記者会見などのご発言もありますが、別の書籍の引用や週刊誌などの記事からの抜粋もあります。それが「天皇陛下のーー」と違うところです。では早速……。

第1章 愛と優しさ から

気の毒な方に対して私たちは同情する資格はございません。あまりにも知らなさすぎます。
(昭和41年 P20 より)

厳しいお言葉から始まりましたが、同時に謙虚さもうかがわれます。

”かわいそう”な人たちに同情するのはとても簡単なこと。そうして自分があたかも“善良な人間”になったつもりになる。でもそれは、手を差し伸べるべき人のためになっているでしょうか?

美智子さまはまず、もっと理解すべきだとおっしゃっているのです。自分が何をするか、ではなく。そうでないと、結局善意の押し付けになってしまう。人のために何かをする難しさを考えさせられます。

この発言は、社会福祉施設ご訪問の際、記者から感想を尋ねられた時のもの。

奇跡のように生き残ってくださって。絵のおかげで私どもは(事件を)知ることができます。
(平成26年 P50 より)

絵本なども出版されている美智子さまの、言い回しが感動的なお言葉です。生きていてくれたことの喜びが「奇跡」に表れています。

「生き残った人」とは対馬丸事件の生存者。そのうちの1人、上原清さんは6日間も海を漂流後、文字通り奇跡的に生還しました。その後、事件のありさまを絵に描き残しています。

はっきり言えば、家族でも友達でもない初対面の人にも、生きていてくれた感謝のような言葉をおっしゃることができる。美智子さまの内面が垣間見られます。

第2章 内に秘めた強さ から

恵まれた環境に育てられ、私は人の善意を信じてきました。
(昭和33年 P80 より)

皇太子だった天皇陛下とのご婚約が決まる前に、新聞記者に語ったものです。

「環境」と「人の」いう事にされていますが、美智子さまは自身の善意の強さを、無意識に自覚されていると思います。

善意だけでなく、それを信じられることがあらゆる心の強さに繋がるのです。

こうした不条理は決してたやすく受け止められるものではなく、当初は、ともすれば希望を失い、無力感にとらわれがちになる自分と戦うところから始めねばなりませんでした。
(平成23年 P90 より)

東日本大震災。それまで多くの被災地へ、天皇陛下と足を運ばれた美智子さまにして、「自分と戦」わねばならないほどの衝撃を受けられていたのです。正直なお気持ちを話された言葉だと感じます。

3月末から7週連続で被災地を回られたわけですが、苦しい胸の内はおくびも見せず、被災者を励まし続けられたのです。

次は“未知の世界”へ旅立つときのお言葉。

この白樺をわたくしだと思ってください。
(P104 より)

いつのご発言か正確には分かりませんが、婚約が内定した時、実家の庭に白樺の木を植えられ、その時ご家族に向けておっしゃられたそうです。

pixabay 白樺

自分がいなくなっても、寂しさを少しでも和らげられるようにとの家族への想いと、皇太子妃になる決意が感じられます。

それにしてもロマンチックな表現ですね……。絶対自分には似合わない(´pωq`)

ちなみに、皇族方が持つ「お印」かありますが、美智子さまは白樺です。

第3章 自ら学び、育てる から

ほかのお弟子さんと同じように扱ってください。
(P156 より)

長女の黒田清子さんは、中学1年生から日本舞踊を始めましたが、その時教室へこうお伝えになられました。

お人柄による謙虚さが表れているとも言えます。一方で、ご自身は一般家庭から皇室へはいられたのとは逆に、紀宮(黒田さん)さまは結婚すると"一般人”となるため、そういう感覚を身に付けられるようにご配慮されたとも考えられます。

ご自身の経験から、“その後”もちゃんと生きていけるようにとの、親心からのご発言でしょう。

第4章 揺るぎない平和への想い から

ちょっと長いですが、読書人のはしくれとして、このご発言は特に注目しました。

読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。
(平成10年 P170 より)

人生における単純でない、様々な事象をどう受け止めればいいのか?そのヒントを本を読むという行為で得ることができるとおっしゃっています。

なお、お言葉は同年に開催された、国際児童図書評議会の基調講演の一節。次ページには「--人は自分と周囲との間に、(略)橋をかけ、人とも物ともつながりを深め、それを自分の世界として生きています。」というお言葉も載っています。人生をどう築いていくのか。その在り方を教えてくださいます。

先に、絵本を出版されていると書きましたが、この講演内容がまとめられ『橋をかける』というタイトルで出版されています。

pixabay 勉強する子供

平和について、天皇陛下と考えが同じなのだと感じられるお言葉が、次のものだと思います。

今、平和の恩恵に与(あずか)っている私たちが皆、絶えず平和を志向し、国内外を問わず、争いや苦しみの芽となるものを摘み続ける努力を積み重ねていくことが大切ではないかと考えています。
(平成26年 P184 より)

陛下とともに、常に戦争を忘れず、平和を願い続けてきた美智子さま。「摘み続ける」がそれを表しています。ともに戦争体験者ゆえに、なおさら思いがつながりやすいのでしょう。

第5章 細やかな心配り より

天皇陛下と熊本県を訪れた時のことです。ご当地キャラクターのくまモンと対面。くまモン体操を見学(見学?といっても鑑賞もヘンですが^^;)されました。美智子さまは知事に向かって、こう質問されたそうです。

くまモンはお一人なの?
(平成25年 P212 より)

これは私がくまモンファンなので取り上げました(#^.^#)美智子さまのユーモアは機知に富んだものが多いと思いますが、こんな素直なものもあります。第5章は心配りが感じられるお言葉を集めていますが、こうしたユーモアのあるものが多い気がします。

素直と笑いは、愛される人間の条件だと思います。

そういえば「くまモンが一人か」の疑問はちょっとあります。以前、ホームページでスケジュールを調べたら、東京のイベントにいると思えば、アメリカにいたりしてたから……。美智子さまは鋭いです!

ちなみに、ご質問の答えは「くまモンはくまモンです。」だそうです。これはちょっと……(´・_・`)。最後にユーモアが欠けてしまいました、ってお笑いの紹介じゃないんだから。

※敬称は当時のままとさせていただきました。


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Last Modified : 2020-02-26

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